【ホッケー選手名鑑・海外編#2】英国代表<アシュリー・ジャクソン>

アシュリー・ジャクソン

どこからともなく、和太鼓の音色が聞こえてくる。

そんな「夏祭りの陽気な雰囲気」が漂う名古屋からこんばんは。

藤本一平です。

今回は久しぶりに

「ホッケー選手名鑑・海外編」をお送りしたいと思います。

第1回目はドイツ代表のフローリアン・フックス選手を取りあげました。↓

https://ippeifujimoto.com/florian-fuchs-germanyhockey

第2回目となる今回は、

以前、ブログにコメントしてくれた方のリクエストにお応えして、

ホッケー英国代表のアシュリー・ジャクソン選手を取りあげたいと思います。

選手データ

■Ashley Jackson

■1987年8月27日生まれ

■所属クラブ

Holcombe Hockey Club (イングランドホッケーリーグ)

Ranchi Rays (ホッケーインドリーグ2015,2016)

■ポジション
MF

■主な経歴・戦歴

<英国代表として>
2008年 北京オリンピック 5位
2012年 ロンドンオリンピック 4位
2014年 コモンウェルスゲームズ(グラスゴー) 3位
2016年 チャンピオンズ・トロフィー(ロンドン)4位

<イングランド代表として>
2009年 ユーロ選手権(オランダ・アムステルフェーン) 優勝
2010年 チャンピオンズトロフィー(ドイツ・メンヒェングラードバッハ) 2位
2011年 ユーロ選手権(ドイツ・メンヒェングラードバッハ) 3位
2012-13年 ワールドリーグ ファイナル 3位

来歴

Wikipediaには、「2007年〜現在 イングランド代表」という記述がありましたが、

のちほど紹介する関連記事には代表デビューは2006年と書かれていました。

いずれにしても、彼は10代のうちに代表デビューしていたようです。

2008年には北京五輪に出場し、5位。

初戦の対パキスタン、そして5位決定戦の対韓国でそれぞれ1ゴールを決めています。

2009年にはイングランド代表選手としてユーロ選手権で優勝。

同年、FIH(国際ホッケー連盟)が選出する”Young Player of the year 2009″に選ばれました。関連記事はこちら↓

http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/other_sports/hockey/8398101.stm

ちなみにイングランド代表選手がこの賞を受賞したのは、はじめてのことだったそうです。
(そして、その後も現在に至るまでイングランド代表選手のこの賞の受賞はないとのこと)

2012年のロンドン五輪は地元開催でしたが、メダルまであと一歩及ばず、4位。

2015年のユーロ選手権。

そして、先月6月末に行われた2016チャンピオンズトロフィー。

どちらも地元ロンドンでの開催でしたが4位。

英国は「地元開催で4位」が続いています。

英国代表のときも、イングランド代表のときも彼の背番号は「7」。

現在の所属クラブであるホルコムに移籍する前はイースト・グリンステッドというクラブに所属しており、そこでは弟であるウェスリー・ジャクソン選手とともにプレーしていました。

↑真ん中が弟のウェスリー、右がアシュリー。とても仲が良さそうですね。

2009-2010年の2年間、オランダリーグ=「フーフトクラッセ」に参戦していた時期もあったようです。

このときの所属チームはHGC。(昨年までアルゼンチン代表のドラッグ・フリッカーであるゴンツァロ・ペイラットが所属していた水色ユニフォームのチーム)

当時の映像を見つけたので埋め込んでおきます。(約1分間の短めの動画です)

このフーフトクラッセでの2年間は英国代表キャプテンのバリー・ミドルトンとともにプレーしており、↑この動画からわかるように背番号は20でした。

また、過去3年間、アシュリー・ジャクソンとバリーミドルトンはインドリーグでも同じチームでプレーしています。

昨年度からアシュリーがプレーしているホルコムには、先述のバリー・ミドルトン、イングランド代表の中盤の要・カトリン選手などタレントが勢揃い。

ここ数年でホルコムのオーナーがトップ選手を囲い込んだようです。

このやり方には批判もあるらしいのですが、そのあたりのことについてはまた機会があれば書いてみたいと思います。

イギリスの新聞社・テレグラフ紙のホームページには、こういった情報について書かれた記事がありました。

興味のある方はこちらから。

 http://www.telegraph.co.uk/sport/olympics/hockey/11070527/The-Holcombe-debate-how-other-hockey-clubs-view-Kent-sides-strategy-of-signing-top-England-players.html

http://www.telegraph.co.uk/sport/olympics/hockey/10449102/Holcombe-cash-strategy-excites-me-says-Barry-Middleton.html

ホルコムは来シーズンのEHL(ユーロホッケーリーグ)に出場予定なので、どんな戦いを見せるか楽しみです。

ストロングポイント

話がやや脱線してしまいましたが、ここからはアシュリーのプレーについて取り上げたいと思います。

ホッケーファンならご存じの方が多いと思いますが、彼のストロングポイントはなんといっても[ドラッグフリック]です。

ホッケーの試合において、勝敗を左右するセットプレーであるペナルティー・コーナー。

彼はこのペナルティー・コーナーのシューターとして有名であり、上下左右、どのコースにもスピードのあるシュートを打ち分けることができます。

文字で説明するよりも、映像を観てもらった方が伝わりやすいと思うのでこちらに埋め込んでおきます。(37秒の動画)

もっとじっくり観たい方はこちらの動画を。(3分20秒くらいの動画でとてもうまく編集されています)

「アシュリー・ジャクソン」の連呼

「ワッツアフィニッシュ」

「ヒーイズジーニアス」

「スーパーペナルティーコーナー」

実況アナウンサーから、賞賛の嵐ですね。

彼はドラッグフリックの打ち方が独特です。

自分の印象では、ゴールに背を向けるくらい身体をひねっておいてからシュートを放つ選手が多いように思うのですが、彼はそれほど身体をひねらない状態でボールをドラッグしてシュートを放ちます。

ベルテクスホッケーチームのGK新本選手が以前、「ジャクソンの打ち方は止めにくい(コースが読みにくい)と思います」と言っていました。

僕はGKではないので詳しくはわかりませんが、これだけ多くのゴールを決めているのですから、参考になる部分は多くあると思いますので、ドラッグフリッカーのみなさんは研究してみるとおもしろいかもしれません。

髪型

すでに紹介しましたが、彼は若いうちからイングランド代表、英国代表としてプレーしてきました。

常に注目される選手の一人です

プレーに注目がいくのはもちろんですが、個人的には彼が頻繁に髪型を変える点にも注目しています。

2009年。坊主スタイルです。

こちらは坊主より長めの短髪スタイル。2015年4月の写真です。

 

2015年のインドリーグの記者会見。この時は長めのヘアスタイル。

坊主、短髪、長めのスタイルとバリエーションが豊富。

イングランドといえば、サッカーのベッカム選手が有名ですが、彼も坊主にしたり、ベッカムヘアと呼ばれるモヒカンスタイルにして注目を集めていました。

背番号も同じ7。

アシュリーはホッケー界のベッカム的存在と言えるかもしれないですね。

意外な一面

今回アシュリーを取りあげるにあたり、いろいろと情報を集めた中で、自分がもっとも驚いたことをここで紹介したいと思います。

まずはこちらの動画をご覧いただければと思います。

これはイングランドのアイスホッケーリーグの映像です。

アシュリーは、2014年12月にインドで行われたチャンピオンズトロフィーにイングランド代表として出場し、

その後、2015年1〜2月に行われたインドリーグに参戦したのですが、

その間に、Invicta Dynamosというアイスホッケーチームに期間限定で所属し、リーグ戦に出場したのです。

そして、この動画でゴールを決めたのが、アシュリーです。(しかも、デビュー戦で)

以下の記事の中で、アイスホッケーチームのコーチが「彼のハンドコントロールはエクセレントで、視野も広い」と賞賛しています。

http://www.telegraph.co.uk/sport/olympics/hockey/11344706/Ashley-Jackson-warms-up-for-Hockey-India-League-with-goals-…-at-ice-hockey-outfit-Invicta-Dynamos.html 

このアイスホッケーリーグのあとに参戦したインドリーグ2015。

本業のフィールドホッケーでもしっかりと活躍。

チームを優勝に導き、自身も得点王、そして大会MVPに選ばれました。

僕の知る限りでは、日本のフィールドホッケー選手がアイスホッケーのリーグに参戦したという話は聞いたことがありません。

(ラグビーの山田章仁選手がアメフトに参戦していたのは記憶にありますが・・・。)

個人的にはこういうチャレンジはとてもおもしろいことだと思います。

日本対イングランド

 日本代表がイングランド代表と対戦した直近の試合は、2013年のワールドリーグセミファイナル・マレーシア大会。

この試合前の事前ミーティングで、当時の日本代表コーチ・カンさんは「アシュリーはチームワークがない」という分析をしていました。

この大会中、日本と対戦するまでの試合でアシュリーが味方選手を叱責するようなシーンが見受けられたからです。

実際にそれっぽい映像をミーティングで見て、アシュリーはそういうタイプなのかな?と思って試合に臨みました。

しかし、蓋をあけてみたら、この試合の時はそのような素振りはなく、献身的にハードワークをしていました。

イングランドの2点目。PCにおけるアシュリー→ミドルトンの外タッチは敵ながらあっぱれのクオリティでした。

アシュリーをはじめ、イングランドはどの選手も運動量豊富で、スコアリングスキルが高い、と感じた一戦でした。

埋め込んでおいたハイライト映像にも出ていますが、個人的には前半終了間際にリバースヒットのセンタリングを打ったときのシーンが色濃く記憶に残っています。

このときは、小野さんからパスをもらったのですが、小野さん、フェイントをかけながらパスを出してくれているんですね。

相手DFは小野さんのフェイントにがっつりひっかかっているのが映像で確認できます。

パスを受ける前に小野さんと目があった、という記憶が残っているのですが、こういう息のあったプレーができたときはうれしいし、なかなか忘れないものです。

もうすこし、マグさんがタッチできる方向に打つべきでしたね。

ちょっとしたこぼれ話でした。

まとめ

アシュリーは、ホッケー選手としてのプレーの質の高さ、という点で、もともと注目していた選手ですが、

今回、この記事を書きながら今まで知らなかった一面を知ることができ、「生き様」という点においても興味深い選手だと感じました。

今回、アシュリーを取り上げるきっかけを与えてくれた方に感謝したいです。

コメントありがとうございました。

さて。

だんだんリオ五輪が近づいてきましたね。

アシュリー・ジャクソン。

もちろん、英国代表選手として選出されています。

五輪前に、各国の情勢など、事前情報をまとめたいと思っていますが、

それはまたの機会に、ということで、

今回はこのあたりで失礼します。

それではまた! 

藤本一平

コメント

  1. #7 より:

    リクエストしたものです。取り上げて頂き本当にありがとうございました!!

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