日本代表強化合宿
11月6日(金)~9日(月)まで岐阜県グリーンスタジアムで日本代表の強化合宿に参加してきました。
合宿初日の様子が、翌日の岐阜新聞朝刊に載っていました。↓
今朝の岐阜新聞。粥さんのインタビューが載っていますよ〜。 2日目いってきます! pic.twitter.com/Mejrxnu8IC
— 藤本一平 (@ippei_fujimoto) 2015, 11月 6
今回の合宿は、「ジュニアアジアカップ」を控えたU-21ジュニア日本代表との合同合宿で、シニア日本代表vsジュニア日本代表の試合がメインとなりました。
これまで話したことがない選手もいましたが、3泊4日の合宿の中で何名かの選手とは話をすることができました。
「U21サムライジャパンを応援しよう」という意味を込めて、11月14日から開催される「ジュニアアジアカップ」という大会について、今回は書きたいと思います。
ジュニアW杯
前回のブログでも少し触れましたが、この「ジュニアアジアカップ」は2016年12月にインドで開催される「ジュニアW杯」の予選を兼ねた大会です。
まずはこの「ジュニアW杯」という大会の情報から整理してみます。
FIH(国際ホッケー連盟)のホームページに書かれている大会概要によると、
ジュニアW杯は、4年に1回開催される「壮大なショー」(若い才能のお披露目の場)です。
この大会は若い選手たちが、まだ未完であるその才能を国際大会を通じてさらに高いレベルにあげる場です。
16チームが参加し、21歳以下の選手たちがワールドカップ(優勝カップ)をかけて戦うエキサイティングな大会です。
とあります。
4年に一回と書いてありますが、3年間隔だったりするときもあります。
ちなみに前回大会の優勝国は連覇を果たしたドイツ。
過去、ジュニアW杯は10回開催されているのですが、そのうちドイツは6回優勝しています。 (1982, 1985, 1989, 1993, 2009, 2013)
他の歴代優勝経験国は、
パキスタン (1979)
オーストラリア (1997)
インド (2001)
アルゼンチン (2005)
です。
日本は前回の2013年大会は予選を突破できなかったため出場できず。
前々回、マレーシアとシンガポールで共催された2009年大会は20チーム中13位という結果でした。
(以前のブログでブラックスティックスのハカの動画を紹介しましたが、その大会です。)
女子のジュニアW杯
ここで少し女子の話題を。
女子のジュニアW杯は来年チリで開催予定です。
そして、U21さくらジャパンは2015年9月に中国で開催されたジュニアアジアカップで準優勝し、すでに出場権を獲得しています。↓
女子のシニア代表「さくらジャパン」は4大会連続でオリンピックに出場していますが、女子ジュニア代表がジュニアW杯の出場権を獲得したのは意外にもはじめてのことだそうです。
活躍に期待したいです。
ジュニアアジアカップ
前置きが長くなってしまいましたが、11/14(土)からはじまるジュニアアジアカップについて情報をまとめていきたいと思います。
大会方式について
参加国は下記8チームです。
<グループA>
・インド(6)
・マレーシア(13)
・日本(16)
・中国(19)
<グループB>
・韓国(9)
・パキスタン(10)
・バングラデシュ(29)
・オマーン(31)
※かっこ内の数字はこのブログ公開時点(2015年11月に更新された)の世界ランキングです。
今大会は<2グループによる予選リーグ・決勝トーナメント方式>で開催されます。
(8チームで国際大会が開催される場合はこの方式が採用されることが多いです)
簡単に説明すると、まず、グループの中で総当たり戦を行い、グループ内の1~4位までの順位を決めます。
その後、グループ内の順位によって「たすき掛け」で準々決勝が行われます。↓
①A1位 vs B4位
②A2位 vs B3位
③A3位 vs B2位
④A4位 vs B1位
その後、準決勝は、
①の勝者 vs ③の勝者
②の勝者 vs ④の勝者
で行われ、この勝者が決勝戦へ駒を進める、という方式です。
この大会方式でポイントとなるのは、準々決勝です。
予選リーグでどれだけ順位が低くても、準々決勝で勝てばベスト4に入ることができるからです。
過去さまざまな国際大会で、予選リーグ4位のチームが1位のチームを倒す、いわゆる「下剋上」が起こっています。
2014年4月のチャンピオンズチャレンジ1という大会は、今回のジュニアアジアカップで使用されるマレーシア・クアンタンのスタジアムで開催されたのですが、
予選リーグでグループBで4位だったマレーシアが、グループAで1位だったニュージーランドをSO(シュートアウト)で破ってベスト4入りしたという事例もあります。(のちほど別の項でその試合の動画を紹介します)
その日のニュージーランドの選手たちのつぶやきは、今でも忘れられません。
Gutting performance today, leaked 4 goals in 1 quarter only to bounce back to 4-4 by full-time then lose on shoot-out. Love/Hate of sport!
— Shea McAleese (@Shea_McAleese) 2014, 5月 1
The highs & lows of sport… That one is going to hurt for a while but we will bounce back @BlackSticks
— Dean Couzins (@couzins08) 2014, 5月 1
話が横道にそれましたが、ここで強調しておきたいのは準々決勝がポイントということです。
(もちろん、どの試合も大事なのですが)
前にも述べましたが、今大会はジュニアW杯の予選を兼ねています。
W杯への出場権が与えられるのはアジアで4枠。
そのうち、インドは開催国として出場権を得ています。
残り3枠に入るためにはベスト4進出が必須の条件です。
それぞれの国についての情報はジュニアのメンバー自身がよくわかっていると思うので、あえてここでは触れませんが、キーポイントである準々決勝を勝ち抜いてさらに順位をあげていけるようにピーキング、コンディショニングにはしっかりと気を配りながら大会を戦っていってほしいと思います。
開催地について
開催地はマレーシアの東部に位置するパハン州の州都クアンタン。
(日本との時差-1時間)
大会会場である「Stadium Hoki Wisma Belia」はブルーの人工芝です。
それぞれマレー語で、
Hoki:ホッケー
Wisma:会場
Belia:若い
という意味だそうです。
クアンタンはビーチリゾートが有名で、2014年のチャンピオンズチャレンジ1のときは海沿いのリゾートホテルに滞在したのですが、きれいな海辺の景色が強く印象に残っています。
ニュージーランドのシャー・マカリース選手が「Awesome Spot」と書いていますが、ほんとに「Awesome」でした。
ジュニアのメンバーに確認したところ、今回は違うホテルに宿泊するようですが、わりに近い海辺のホテルのようなので、試合の合間はリラックスして過ごせるのではないかと思います。
こぼれ話
今大会が開催されるパハン州も含めて、マレーシアには13の州があり、そのうち9の州には伝統的な首長であるスルターンがいます。
今大会の開催地であるパハン州のスルターンはアブドラ・アフメド・シャー王子(以下アブドラ王子)という人物で、ジュニアアジアカップを主催するアジアホッケー連盟の会長でもあります。
また、アブドラ王子はアジアサッカー連盟の副会長も務めており、2015年4月にはFIFAの理事にも当選しました。
その際は、同じくFIFAの理事に当選した日本サッカー協会の田嶋副会長とともに日本のニュースでその名前が報道されていました。↓
マレーシアでホッケーの国際試合が開催されるときにはよく来賓として観戦に来られるアブドラ王子。
そんな王子のお膝元ということもあってか、クアンタンのスタジアムにはホッケーをよく知っている観客が来場します。
とくにマレーシアの試合のときは会場が独特な雰囲気になります。
前の項で触れたニュージーランド対マレーシアの動画を見ていただければその様子が伝わると思います。↓(45秒くらいの短い動画です。音声注意)
スタジアムDJが観客を煽り、ニュージーランドはまさに”アウェイ”での試合を強いられていました。
そんなクアンタンでの試合は、日本にとってもアウェイではありますが、僕たちが2014年チャンピオンズチャレンジ1で戦った際は現地の日本人の方々が応援に来てくださり、あたたかい声援で後押ししてくれました。
そのとき連絡をくださった方に、今回、再びクアンタンの地で日本代表が戦うことを伝えたところ、「現地の日本人のみなさんに大会が開催されることをアナウンスします」という、ありがたいお返事をいただきました。
そして!
なんと今回は横断幕を作成してくださっているようです。
クオリティが高い!
前回、日本代表がクアンタンでのチャンピオンズチャレンジ1に参加したのは1年以上前ですが現地の方は未だにそのときの話をすることがあるそうです。
前回は決していい結果とは言えなかったので、今回は結果も含めて強いインパクトを残してきてもらいたいものです。
U21の選手たちにとっては、「日本を代表して戦っている」ということをより強く実感できる大会になるのではないかと思います。
日程について
11月14日(土)から大会がスタートします。
日本の予選リーグの試合日程は以下の通りです。
大会リンク集
今回のジュニアアジアカップの情報を入手できるホームページ、SNSなどをまとめておきます。
▼日本ホッケー協会
▼アジアホッケー連盟(英語)
▼アジアホッケー連盟 Facebookページ
▼アジアホッケー連盟 Twitter
インターネットでライブ配信があればいいのですが、いまのところそういう情報は入ってきていません・・・。
そのほかのものを見つけたらまた追加したいと思います。
最後に
U-21日本代表メンバーの写真をいくつか。
落合選手(天理大)はU-21メンバーの中で唯一の4年生であり、キャプテンを務めます。
(左の黒川選手は落合選手と同級生ですが早生まれではないのでシニア代表メンバーとして合宿に参加。山部・吉原は言わずもがなフラーテルのメンバーであり、ジュニア世代ではありません。)
全員ではありませんが・・・↓
左から田中・山田・山水・吉川(4名とも天理大)・宮崎(早稲田大)・小沢・伊藤(ともに山梨学院大)・國友(明治大)です。(敬称略)
写真を撮る前に「ミズノのウェアーで撮ったほうがいいですよね?」と言って律儀に服装を統一する学生たち。しっかりしてるなー、と感じました。
今大会のメンバーの中にはジュニアW杯の出場権を獲得しても、本戦のときには年齢が過ぎてしまい出場できないメンバーもいます。
(僕自身、予選のときはメンバーに入れず、先輩方が予選を勝ち抜いてくれたおかげで本戦のジュニアW杯に出場させてもらうことができました。)
後輩たちに国際舞台を経験する場を残すこと。
そういった部分も日の丸をつけて戦う選手としての役割のひとつかもしれませんね。
一、ホッケーファンとして、U-21男子ホッケー日本代表の活躍を祈りながら、大会結果をチェックしていきたいと思います。
がんばれ、若きサムライたち!
それではまた!
コメント
マレーシアでの21メンバーの奮戦を期待します。 我々60+も10末にアジアカップでクアラルンプールに行ってきました。 川上パパはじめ奮戦しましたよ 詳しくはJGMAのホームページ参照あれ。。 宿敵マレーシアには勝ちましたが。。。。。
コメントありがとうございます。
U21、昨日はインド相手に1-2と惜敗だったようですが、まだまだトーナメントはこれからなのでがんばってほしいです。
JGMAのホームページを拝見しました。来週は岡山でグランドマスターズ大会なのですね。みなさんのご活躍を応援しております。