韓国と日本の違い

城南市役所

チーム紹介

前回の記事でお知らせしましたが、ベルテクスホッケーチームは11月1日〜9日まで韓国遠征にいってきました。

場所は城南市。(ソンナム市)

ソウルの南側にある人口約90万人の都市です。

城南市役所ホッケーチームは韓国の強豪チームのひとつ。

韓国代表経験者が多数在籍しているチームです。

(ちなみに、ベルテクスの監督カンさんは現役時代、このチームでプレーしていました。)

先日マレーシアで行われていたアジアチャンピオンズトロフィー(ACT)や、

2016年6月にロンドンで行われた男子チャンピオンズトロフィー(CT)の韓国代表選手として、この城南市役所所属の選手が何名も参加していました。

ACT,CTに参加していた城南所属の選手たち

No.11 LEE Jungjun選手(中央)

No.17 KIM Seongkyu選手(左)

No.5 LEE Daeyeol選手(右)

No.9 HWANG Taeil選手(右)

No.21 LEE Seunghoon選手(中央)

No.3 YOU Seungju選手

韓国代表で長年活躍してきた選手たち

城南市のベテラン勢は長年韓国代表で活躍してきた選手たちです。

2015年のワールドリーグセミファイナル・ブエノスアイレス大会まで韓国代表の主将を務めていたLEE Seungil選手。 (左手にピンクのグローブをつけた選手)

 

2016CTで主将を務めたYOU Hyosik選手

LEE Namyong選手

Youngjin Kim選手

OH Daekeun選手(左)

(写真の2人は以前、オランダのデンボスというチームで豪州代表のGovers選手とともにプレーしていました)

参考記事:Korean Lee closes in February at Den Bosch

国際経験豊富なベテランが多数在籍しています。

韓国のホッケー関係者

今回の遠征中、多くの韓国ホッケー関係者がグラウンドを訪れる姿を目にしました。

韓国ホッケー協会のナンバー2、パクさん。

 

パクさんは元韓国代表キャプテンでカンさんの先輩にあたる、と紹介されました。

また、現在の韓国代表監督であるソンさんもグラウンドに何度も姿を見せていました。

↑2016年チャンピオンズトロフィー・ロンドン大会で指示を出すソンさん。

カンさんとソンさんはともにシドニー五輪を戦った仲。

現役時代は、2人でともにマレーシアリーグのサプラというチームでプレーしていた時期もあったそうです。

他にも、カンさんが韓国体育大学ホッケー部でプレーしていたときの監督さんや、

前韓国代表監督のシン・ソク・キョさんもグラウンドに姿を見せ、それぞれあいさつをいただきました。 

対戦して感じたこと

今回の遠征では、城南市役所ホッケーチームと3試合。(1勝2敗)

その後、韓国体育大学ホッケー部と城南市役所の混合チームと2試合を行いました。(1勝1敗)

5試合という実戦経験を積み、試合後はビデオミーティング。

遠征を通じてチーム戦術の共通理解度を高めることができたと感じています。

相手チームの特徴として、

・ボールへのタックルが激しく力強い
・身体の使い方がうまく、シールドしながらボールをキープする能力が高い
・ある程度速いスピードで長い距離を往復できる走力を持った選手が多い
・プレスをかけられても慌てずにプレーできる精神的余裕とスキルの高さを持つ選手が多い
・攻守において各選手のポジショニングのバランスが取れている

といったことを感じました。

特に国際経験が豊富なベテラン選手たちは、全盛期のスピードはないかもしれませんが、ひとつひとつのプレーの状況判断の的確さや、球際の力強さなどは健在で対戦しながら学ぶことが多くありました。

角度がないところからでも思い切ってリバースヒットを打ってゴールを決めたLee Namyong選手の強引さ、シュート精度の高さや、

パスを受けた選手に対して素早く距離を詰めてボールを奪取し、カウンターにつなげるOH Daekeun選手のDF能力の高さは特に印象が強く残っています。

そういった力のある相手と対戦する中で、

・プレスをかけられたときのビルドアップの打開策
・ビルドアップがうまい相手に対するプレスの掛け方
・サークル近辺からの戦術的な攻め方・ゴールの決め方

などに意識をおいてプレーしました。

まだまだ完成度は高めていく必要がありますが、全日本選手権に向けて実りある遠征になったと感じています。

 

城南市役所の選手たちと

城南市役所の選手たちと

韓国のホッケー文化

ホッケーが仕事

韓国の社会人ホッケーチームは、市や郡庁のチームが多いようです。

そして彼らはホッケーが仕事です。

ホッケー以外の業務は基本的にないそうです。

ホッケー選手としてはホッケーに専念できる環境で、ここは日本の社会人チームと大きく異なる点だと言えると思います。

(ただ、引退後は指導者になる選手は別として、職が保証されているわけではなく、あまりいい職につけない選手がいるというのが問題になっている、という話も耳にしました。)

移籍

これまでの自分の経験では、今回対戦した城南市役所以外に、金海(きめ)市役所、仁川市役所と練習ゲームをしたことがあります。

城南と金海は伝統的な韓国強豪チームということでレベルが高いと感じました。

仁川市役所は2014年のアジア大会前に練習試合をしましたが、当時は若手が多く、これからチームを強化していく、という途上段階でした。

韓国代表で長年ドラッグフリッカーとして君臨してきた2大巨頭が、今年から仁川市役所に移籍してプレーしているそうなので、今後はさらに強くなるかもしれません。

一人は金海市役所から移籍したJANG Jonghyun選手。

もう一人は、城南市役所から兵役を経て仁川市役所に移籍したHyunwoo Nam選手。

というように、社会人チーム間の移籍もけっこうあるようです。

海外との関係

OH Daekeun選手とLee Namyong選手がオランダのデンボスでプレーしていたことはすでに紹介しました。

他の海外リーグに目を向けてみると、例年、何人かの韓国人選手がマレーシアリーグに参戦しています。

(カンさんはマレーシアリーグだけではなく、ドイツのブンデスリーガにも参戦していた経験があるそうです。)

ホッケーインドリーグに関しては、韓国人選手の参戦はまだないと思います。

また、ここ数年はドイツ人指導者の、ポール・リセック氏が男子韓国代表のアドバイザーに就いて、指導しています。

このインタビューを見ていただければわかるようにポール氏は高齢ですが、かなりストイックな人物、という印象を持っています。

というのも、2014年のアジア大会の選手村でポール氏が朝早くから一人でジョギングをする姿を何度も目にしました。

また、アルゼンチンでのワールドリーグセミファイナルで韓国と同じホテルだった際は、ポール氏が階段を走って昇り降りするトレーニングを汗だくになりながら一人で行っている場面にも遭遇しました。

かなり追い込んでいたようで、ハーハーと荒い息遣いで階段を昇り降りしていました。

ちょっと話が脱線しましたが、

韓国は選手を海外に派遣したり、指導者を招聘したりして、海外とのコネクションを繋いでいる部分は日本よりやや進んでいるといえるかもしれません。

まとめ

あくまで個人的見解ですが、以上をまとめてみると、

ホッケーにおける日本と韓国の違いとしては、

・強豪チームはホッケーが仕事。ホッケーに専念できる環境。
・移籍もけっこうある
・伝統的に海外とのコネクションは日本よりは強そう

このあたりがあげられるのではないかと思います。

(五輪でメダルを取るか、アジア大会で優勝すれば兵役が免除されるというのが選手たちによってひとつの大きなモチベーションになっている、という話も聞きました。)

隣の国のライバルチームとして、学べる部分は吸収し、

また韓国と日本を比較することによって、日本人が日本人自身の強みや弱みに気付く機会にもなるのではないか。

そんなことを感じた韓国遠征でもありました。

最後に

今回、チームの活動を支えてくださるみなさんのおかげで、ベルテクスというクラブチーム単位での海外遠征を経験できました。

いつもご支援いただき、ありがとうございます。

職場の同僚のみなさんには、トレーニングのために会社を早く上がらせてもらったり、

休みをもらって遠征に行かせてもらったりと、いつもお世話になっています。

人間は慣れるとそれが当たり前のように感じてしまいがちですが、

このような環境は当たり前ではないということ。

自分たちができない分の業務をカヴァーして下さっている方々がいること。

支えてくださる方々のおかげでホッケーができるという部分は忘れることなくプレーしていきたいと思っています。

インカレが終わり、全日本選手権の出場チームも出揃いました。

社会人は、

ベルテクス、福井クラブ、ALDER飯能、箕島ホッケークラブ

大学生は

山梨学院大学、天理大学、立命館大学、東京農業大学

です。

ベルテクスの今後の活動としては、今週末は福井遠征に行きます。

福井のみなさん、よろしくお願いします。

さらにチームの完成度を高めて、再来週のグループリーグにいい形で入れるように。

日々準備を積み重ねていきたいと思います。

 img_2651.jpg

それではまた!

藤本一平

コメント欄

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

●このコメント欄の使い方

お名前は匿名やニックネームでかまいません。コメントの内容を確認した後、公開しますので表示まで時間がかかる場合があります。非公開を希望する方はその旨をご記入ください。お問い合わせフォームもありますので、そちらも気軽にご利用ください。

0