7つの習慣
大学時代
『7つの習慣』(スティーブン・R・コビー著)
は私が大学時代に買った書籍の中で、いまでも手元に持っている一冊であり、ときどきつまみ読みをする。
この本の
<第二の習慣 目的を持って始める>
自己リーダーシップの原則
という項目の中で、以下の言葉が出てくる。
すべてのものは二度つくられる
英語で書くと、
All things are created twice
意味
この言葉の意味を説明するために、自動車を例にあげたい。
自動車は現実にこの世に存在しているが、この世につくられる前には設計図が必要である。
この設計図をつくる段階は「知的な第一の創造」。
そして、その設計図をもとに各部品が作られ、それを工場で組み合わせて実物がつくられる。
これが「物的な第二の創造」。
つまり、ものがつくられるときには「知的創造」と「物的創造」という2つの創造が行われる、ということである。
「知的創造」は、英語では
mental creation
「物的創造」は
physical creation
メンタルとフィジカル。
カタカナにすると、スポーツ用語のように感じるのは私だけだろうか。
というわけで、
個人的にこの原則を意識することは、ホッケーをはじめとしたスポーツを行う上でも有益と考えている。
「知的創造」は、いわゆるイメージトレーニングに当たると考える。
「物的創造」は、そのイメージを実際のプレーで表現すること。
体験
先日の日本代表選考会の中で、この「知的創造」と「物的創造」という原則が腑に落ちたシーンがあった。
選考会3日目。
私はこれまで自分が決めたことのないような形でゴールを決めることができた。
そのゴールの形は、これまで現実化したことはなかったのだが、
頭の中では、すでにつくられていた形であった。
どのような形か。
以下の動画の1分25〜50秒あたり。
韓国代表のイ・ナム・ミョン選手のゴールを見ていただきたい。
(実況アナウンサーは選手を間違えてオ・デ・グンと言っているが、これはイ・ナム・ミョン選手のゴールです。)
このシーンは自分自身の印象に強く残っていたゴールで、何度もくり返しこのゴールシーンを観ていた。
そのため、私自身にも同じようなゴールチャンスが訪れたら、この形で決めよう、と考えていた。
イメージトレーニング=「知的創造」はすでに行われていた。
そして、イメージの具現化=「物的創造」が達成されたのが先日の選考会3日目であった。
アシスト
ゴールをアシストしてくれたのは小沢諒選手。
山梨学院大学所属で、2016年12月のジュニアW杯ではU-21日本代表の主将としてチームを牽引した選手である。
彼の持ち味は、力強いストロークを活かしたロングパス。
選考会2日目に一緒のチームでプレーした時間帯があり、そのときから
「狙える時は前へのロングパスを狙ってくれ」
と話をし、イメージの共有を行っていた。
そして、迎えた選考会3日目。
彼は期待通りのロングパスをくれた。
相手DFの裏をついた私のリードに対して、正確で力強いリバースヒットパスを通してくれた。
私がパスを受けた場所はサークルトップ左側。
さきほど紹介した映像とはやや異なるが、ゴールに背を向けた状態でパスをレシーブをし、GKが近くに詰めていた。
リバースヒットを得意とする私は、そのままリバースヒットシュートを打てる体勢に持っていこうとした。
しかし、GKがリバースヒットシュートを読んで動いてきたことに気付いた。
その瞬間、さきほどの動画で紹介したイ・ナム・ミョン選手のゴールシーンが
ビビビッ
と頭に蘇った。
そして、
くるりんぱ。
スティックにボールを引っ掛け、くるりと回ってゴールに流し込んだ。
結び
今回の記事でお伝えしたかったことのひとつは、
イメージトレーニングの有効性。
「知的創造」と「物的創造」というこの世界の原則を意識することが、
イメージトレーニングの質を高めたり、
イメージトレーニングに対する意欲を高めたりするのではないか、と考え書いてみた。
堅苦しく書いたが、ざっくりいえば、
たくさんホッケーの映像を観ておくことが役に立つこともある(のではないか)
ということです。
個人的には
・繰り返し観ておくこと。
・映像だけでなく、感情、匂い、風、気温などもイメージすると質が高まる。
と考えている。
(このブログで映像を紹介することが日本のホッケープレイヤーとイメージを共有することにつながる、と期待もしている)
今回の記事では割愛しますが、ミラーニューロンという神経細胞もあるので、興味のある方は調べてみてください。
最後に。
いいパスをくれた小沢諒選手。
いいアイディアを与えてくれたイ・ナン・ミョン選手。
ありがとうございます。
それではまた。
藤本一平